診療科案内
出生前検査とは
出生前検査とは?
お腹の赤ちゃんの詳細な状態について調べる検査です。
精密超音波検査による形態異常(赤ちゃんの構造の異常)などの診断と、遺伝学的検査による染色体異常(ダウン症候群など)の診断に大きく分けられます。
当院では妊娠初期に行われる胎児染色体の本数の異常(ダウン症候群など)の検出を目的として行われる出生前診断は必須の検査とは考えておりません。ご不安を抱える妊婦さんがご自身の意志で検査を受けるかどうか、を決めて頂きたいと思っております。検査を受けるかどうかの判断に迷われている方や、どの検査を受けるべきかを相談したい方は遺伝カウンセリング外来で意思決定のお手伝いをさせて頂くこともできます。
また、妊娠中期に行う胎児形態異常の評価(中期スクリーニング)は全ての妊婦さんに必要なことと考えております。ご病気を抱える赤ちゃんを見つけ、出生前から大学病院などの適切な医療を受けられる環境へと紹介することは、その後のお子さんの健やかな成長に関わる重要な問題です。そのため、当院で健診に通われている方は中期スクリーニングを通常の健診スケジュールで検査をさせて頂いております。
<当院実施内容>
※1 クアトロ検査は、結果が陽性だったことを鑑み15週での検査をお勧めします
※2 初期胎児ドックでは胎児頭殿長が基準範囲を超える場合は確率計算ができません
※3 検査に応じて検査結果をお伝えする予約やご連絡をいたします。
<それぞれの検査へはこちら>
■ クアトロ検査について
■ 初期胎児ドックについて
■ NIPTについて
■ 初期胎児ドック+NIPT(初期胎児精密超音波+NIPT)
■ 中期胎児超音波スクリーニング検査
クアトロ検査について
●クアトロ検査とは?
胎児が対象の疾患(下記)を持っている確率を算出するスクリーニング検査です。
【対象の疾患】
- ・ダウン症候群
- ・18トリソミー
- ・神経管開放性疾患(頭蓋骨や背骨などが正常に形成されない疾患)
妊婦さんから血液を採取し、血液中の4つの成分(AFP、hCG、uE3、inhibin A)を測定します。
これらは妊娠中に胎児または胎盤で作られる成分ですが、上記の疾患があった場合にはその値の増減のパターンが知られています。4つの成分の計測値から疾患を持っている確率を算出します。
ただし、この成分は妊娠週数や母体の要因(体重や糖尿病の有無など)によっても変化することから、検査結果には偽陽性(病気がないのに検査が陽性となってしまうこと)や偽陰性(病気があるのに検査が陰性となってしまうこと)が一定の確率で発生します。
クアトロ検査は母体年齢が上がるほど、検査で陽性(異常の疑いあり)と判定される傾向があります。
●費用について
クアトロ検査:25,000円(税別)
※こちらの費用はクレジットカードでお支払いいただけます(VISA, MASTERのみ)
●検査の流れ
妊婦健診の際に「クアトロ検査を希望する」旨を受付へとお知らせください。
●注意事項
- ・ クアトロ検査をご希望の場合、医師より検査の説明を受ける必要があります。
- ・ クアトロ検査は、結果が陽性だったことを鑑み妊娠15週での検査をお勧めします。
●よくある質問と答え
Q)クアトロ検査は妊婦健診と一緒にできますか?
A)妊婦健診と一緒に検査可能です。受診の際に、クアトロ検査も希望とお知らせください。
Q)検査結果はいつでますか?
A)採血後、約2週間後に結果が出ます。結果が出次第、クリニックよりご連絡いたします。
Q) 検査結果を電話で聞くことはできますか?
A) 検査結果はお電話ではお伝えすることは行っておりません。診察のご予約をお取りいただき、来院いただくようお願いいたします。
Q)検査結果説明と妊婦健診は一緒にできますか?
A)可能です。結果が出たご連絡をさせていただいた時に、その旨をお伝えください。
Q)他院に受診中ですが、クアトロ検査のみ受けることはできますか?
A)検査のみの受診は可能です。ホームページ上の予約システムより「産科診察」にて予約をお願いいたします。受診の際は、母子手帳をお持ちください。
初期胎児ドックについて
●初期胎児ドックとは?(胎児精密超音波検査+コンバインド検査)
当院の初期胎児ドックは、胎児の精密超音波検査で形態異常を確認することに加え、精密超音波検査で測定した一部の数値と母体血清マーカー*1を組み合わせて胎児染色体数的異常の確率を算出するコンバインド検査の2つを組み合わせた検査です。
胎児超音波の専門家が超音波検査を行います。
妊娠11週0日~13週6日までの赤ちゃんが対象になります。
内容は、以下の通りです。
- ・ NT計測を含むFMF*2初期検査に準拠した詳細なスクリーニング検査
- ・ 胎児各部の観察*3
- ・ 胎児評価(胎児頭殿長、心拍数、静脈管逆流、三尖弁血流など)
*1: hCG-βとPAPP-Aの血液成分を調べます。
*2: FMF:The Fetal Medicine Foundation 英国にある胎児医学の権威ある団体。
日本における胎児ドックを行う施設はこちらの有資格者が行っています。
*3: 妊娠初期では形態異常の検出には限界があり、妊娠中期以降で明らかになることもあります。
●費用について
超音波+母体血清マーカー:67,000円(税別)
※こちらの費用はクレジットカードでお支払いいただけます(VISA、MASTERのみ)
(ご予約日に測定可能な妊娠週数を超えている場合、予定日などが不正確な場合は、染色体数的疾患の評価の計算をすることができませんのでご留意ください。計算ができない場合でも費用は変わりません)
●検査の流れ
予約は当院のインターネット予約にて行っております。予約の中の「胎児ドック」をお選びください。(注意事項がございますのでよくご確認ください)
金曜日の午前中に、「胎児ドック」の予約が可能な日に実施しています。
●注意事項
- ・ 初期胎児ドックや結果説明は、妊婦健診と同じ日に受診することは出来ません。
- ・ 初期胎児ドックは完全予約制となります。
- ・ ご夫婦で検査、結果の説明を受けられることをお勧めしておりますが、お時間の指定は致しかねますのでご注意ください。
- ・ 受診の流れの詳細は、「検査の流れ」をご確認ください。
- ・ 検査は夫婦の同意のうえで実施いたします。パートナーの同席は必須ではありません。
- ・ 胎児を詳細に観察するため、胎児の向きによっては一度検査を中断し、時間をおいて再度行う場合があります。検査の特性上、お時間通りに終わらない事があるため、胎児ドック受診の際はご予定が無い日をお勧め致します。
※午前の予約でも午後までかかる場合もございます - ・ 他院受診中の方は医療機関によって決定された予定日や現在の週数が分かる母子手帳などを当日お持ちください。予定日が不明の場合、染色体数的疾患の評価計算を行うことが出来ません。
●よくある質問と答え
Q) 初期胎児ドックを受診する日で妊娠11週0日~妊娠13週6日ならよいですか?
A) はい。胎児の大きさなどにより100%確実とは言えませんが、12週前後~13週6日未満がおすすめの期間となります。
Q) 胎児頭殿長90mmでしたら、スクリーニングできないですか?
A) 胎児の形態計測に基づくスクリーニングは可能ですが、染色体数的疾患の評価の計算をすることができません。
Q) 初期胎児ドックと妊婦健診を同時に受けることは可能ですか?
A) 同時には行っておりません。申し訳ございませんが、別の日でお願いしております。
Q) 持ち物はなんでしょうか?
A) 初期胎児ドックの費用と、予定日、現在の週数がわかる母子手帳などの資料をお持ちください。検診時のエコー写真ではその日の週数しかわかりませんので、必ず医療機関で決定された予定日が分かる資料でお願いします。
Q) 東京フェリシアレディースクリニックに受診中の妊婦以外は受けることができないでしょうか?
A) 他院通院中の方も受診可能です。「検査の流れ」と「注意事項」をご確認のうえご予約をお願いいたします。
Q) 初期検査の結果などは必要でしょうか
A) 特に不要ですが、「医療機関で決定された予定日が分かる資料」をお願いします。
NIPTについて
●NIPT検査とは(無侵襲的出生前遺伝学的検査)
母体血液中にある胎児DNAを調べることで、Down症候群や13/18トリソミーを高い精度で検出する
遺伝学的検査(非確定的検査)です。当院は日本医学会によるNIPT実施の認定施設です。
詳細は出生前検査認証制度等運営委員会のウェブサイトをご覧ください。
●費用について
NIPT検査:120,000円(税別)
※こちらの費用はクレジットカードでお支払いいただけます(VISA、MASTERのみ)
●検査の流れ
- 当院健診中の妊婦さん
- 妊婦健診(火曜日を除く)でNIPT希望であることを受付へと申し出てください。
- NIPTの説明を行い、カウンセリングと採血日(月・水・木)を決めます。
- 当院初診の妊婦さん
- 遺伝カウンセリング外来(月・水・金、14:30〜)をGoogleフォームからご予約ください。
- NIPTの説明を行い、カウンセリングと採血日(月・水・木)を決めます。
●注意事項
- ・ NIPTをご希望場合は、医師より検査の説明を受ける必要があります。
- ・ 検査当日、パートナーの署名をご記入いただいた同意書をご持参ください。同意書を忘れた場合は、検査は出来ませんのでご了承ください。
- ・ 他院よりNIPTをご希望の方は、母子手帳をご持参ください。
●よくある質問と答え
Q)NIPT検査は、妊婦健診と一緒に受けることはできますか?
A)妊婦検診に引き続き遺伝カウンセリングを行うことはできますが、採血は別日でのご予約となります。
Q)検査結果はいつでますか?
A)採血後2週間となります。採血実施日に、結果説明の予約をお取りします。
Q)他院に通院中ですが、検査を受けることはできますか?
A)受診いただくことが可能です。当院のgoogleフォームよりご予約をお取りいただけます。詳細は、「NIPT検査の流れ」をご確認ください。
初期胎児精密超音波+NIPT
●初期胎児精密超音波検査+NIPT検査とは
NIPT検査と妊娠初期の胎児の精密超音波検査を組み合わせて行います。
赤ちゃんの病気の中には無頭蓋症(頭の骨が形成されない病気)など、NIPTの結果に関係なく、治療・妊娠の継続が困難な病気もあります。
また赤ちゃんの構造異常が複数見つかった場合、NIPTで調べることのできるDown症候群や13/18トリソミー以外の染色体異常や染色体よりももっと小さな遺伝子を詳しく調べる事があります。
胎児超音波の専門家が胎児の精密超音波検査を行います。胎児の明らかな異常のない場合にはNIPT検査を行います。形態評価で異常が疑われた場合には、羊水染色体分析を含めた遺伝的検査の中から適切な検査を選択します。
●費用について
初期精密超音波検査(35,000円)+NIPT検査(120,000円) 合計155,000円(税別)
- ※初期精密超音波検査の結果、NIPTを実施しなかった場合にはNIPT検査料金はかかりません
- ※こちらの費用はクレジットカードでお支払いいただけます(VISA, MASTERのみ)
- ※初期精密超音波検査とNIPT検査の実施日ごとにお支払いをお願いします
●検査の流れ
予約は当院のインターネット予約にて行っております。予約の中の「初期精密超音波+NIPT」をお選びください。予約後、当院より「問診票」をメールにて送付いたしますので、入力の上ご返信ください。初期精密超音波検査等を実施し、採血日を予約いたします。
●注意事項
- ・ 初期精密超音波と妊婦健診を同じ日に受診することはできません。
- ・ 初期精密超音波とNIPT採血を同じ日に行うことはできません。詳細は、「初期精密超音波+NIPT検査の流れ」をご確認ください。
- ・ 初期精密超音波+NIPT は完全予約制です。
-
- ・ 問診票をメールでお送りしますので、入力後送信をお願いいたします。
- ・ 採血当日、パートナーの署名をご記入いただいた同意書をご持参ください。同意書を忘れた場合は、検査は出来ませんのでご了承ください。
- ・ 他院より検査をご希望の方は、母子手帳をご持参ください。
●よくある質問と答え
Q)NIPTの検査は、妊婦健診と一緒に受けることはできますか?
A)同時に受けることは可能です。パートナーの署名を記入した同意書をご持参ください。
Q)検査結果はいつでますか?
A)採血後2週間となります。採血実施日に結果説明のご予約をお取りします。
Q)他院に通院中ですが受けることはできますか?
A)他院通院中の方も検査を受けていただくことは可能です。
中期胎児超音波スクリーニング検査
胎児ドックでは染色体数の異常を発見することが主な目的ですが、
胎児構造異常の半数以上は数的染色体異常がないと報告されています。
胎児の発育および全身の詳細な構造精査(奇形がないことの確認)をご希望される患者様は
妊娠16週以降の妊娠中期胎児超音波スクリーニングの受診をお勧め致します。
当院で妊婦健診または分娩予定の方に関しては通常健診に合わせて
胎児超音波スクリーニングを行なっていますので追加検査は不要です。
【中期胎児超音波スクリーニングの検査内容】
・頭部・顔面・脊椎・胸部・腹部・四肢の各部位の詳細な形態評価
・詳細な胎児心臓スクリーニング
※双胎(双子)の場合、お時間はかかりますが問題なく評価できます。
※胎位や妊婦さんの状況により観察できない場合は後日再診となります。
対 象:当院で妊婦健診を実施していない妊娠16~24週の方
胎児ドックを当院で受診し、中期で再度スクリーニングをしたい方
予約方法:googleフォームor来院時に直接予約
持 物:保険証、母子手帳
金 額:20,000円(税抜)