診療科案内

妊婦健診

妊娠の検査は、妊娠週数に応じた検査をしていきます。
ママと赤ちゃんの健やかな成長、そして安全なお産のためにも、妊婦健診をしっかり受けて下さい。

妊娠週数の計算方法

妊娠週数は、生理の初日から数えた日数を7で割って計算します。例えば28日周期の生理の方が、生理が1週間遅れたタイミングで、妊娠検査が陽性に出た場合28日+7日=35日、35÷7=5、つまり妊娠5週となります。

ごく初期の検査

・お小水による妊娠検査
ドラッグストアに売っている妊娠検査薬は、生理が1週間遅れたタイミングになると反応を見ることが出来ます。クリニックでも行っておりますのでご希望の方はお知らせください。妊娠週数が非常に進むと、妊娠検査薬の試薬が反応しなくなってしまうことがあります。生理が4~5ヶ月遅れた時などに妊娠検査薬が陰性でも妊娠していることがありますのでご注意ください。

・超音波検査
妊娠5週ぐらいになりますと「胎のう」という小さい袋が子宮の中に見えます。排卵のタイミングにもよりますが、5週で数ミリ程度、6週になると1㎝~ぐらいの大きさで見えてきます。

妊娠7~8週ぐらいになりますと、赤ちゃんが数ミリの大きさの白いかたまりとなって、超音波で見えてきます。この白いかたまりのなかでちかちかと白黒の点滅しているところが見えたら、それが心臓です!この心臓が動いていること=胎児心拍の確認が出来ると「妊娠おめでとうございます、母子手帳をもらってきてください」ということになります。母子手帳をもらってきたらいよいよ「妊娠の初期検査」を行います。

妊娠検診~初期検査

都や県によって項目が異なりますが、血液検査や内診を行います。感染症や、貧血、妊娠糖尿病がないかなどを確認します。都道府県から助成金がでますが、助成金額はそれぞれの都道府県により異なります。

当院では以下の検査を行っております。

①血液型検査(ABO式、Rh式)
②不規則抗体 お母さんの血液中に不規則抗体があると、出生後赤ちゃんの黄疸が強くなる場合があります。また分娩時の緊急の輸血に備えるためにも大切な検査です。
③貧血検査(白血球数、ヘモグロビン値、血小板数)
④血糖検査 妊娠糖尿病の早期発見が目的です。食後や甘いものを食べた後2時間空けることで正確な検査が可能です。

以下の検査は母子感染を防ぐために重要な検査です

⑤風疹抗体検査 妊娠初期に風疹にかかると赤ちゃんに先天異常をきたすことがあります。
⑥麻疹抗体検査 妊娠中または分娩前後に麻疹(はしか)にかかると流早産や赤ちゃんに重症感染症をきたすことがあります。
⑦水痘抗体検査 妊娠初期または分娩前後に水痘(みずぼうそう)にかかると赤ちゃんに先天異常、重症感染症をきたすことがあります。
⑧トキソプラズマ抗体検査 トキソプラズマに対する抗体の有無を調べます。妊娠前にトキソプラズマ抗体が陽性の場合、妊娠中にかかる心配はありませんが、陰性の場合、今回の妊娠に関係する時期にトキソプラズマにかかっていないか確認をいたします。

※風疹・麻疹・水痘の抗体が陰性の方は、これらのウイルスに対して免疫がないことを意味します。今後の妊娠に備えて、分娩後にワクチン接種をおすすめします。(妊娠中にワクチン接種はできません)
⑨ 梅毒反応検査 お母さんが梅毒に感染していると赤ちゃんに先天梅毒をきたすことがあります。早期発見と治療で赤ちゃんへの感染は予防できます。
⑩ B型肝炎検査 お母さんの肝機能障害の原因になります。陽性の方は出生後に赤ちゃんに予防接種を行います。
⑪ C型肝炎検査 お母さんの肝機能障害の原因になります。
⑫ HTLV-1検査 成人T細胞白血病の原因となるウイルスの検査です。陽性の方は母乳を介して赤ちゃんへ感染する可能性があります。
⑬ エイズ検査 お母さんがHIVに感染していると高確率で赤ちゃんに感染します。早期治療により予防できます。
⑭ 子宮頸がん検査 子宮頸部の細胞診を行います。

染色体異常の検査について

染色体異常についての検査は、当院では以下の2つの検査が可能です。
・胎児ドック 超音波検査専門の医師が超音波にて細かく胎児を観察し、染色体異常のマーカーの有無について調べる検査です。
11週0日~13週6日までの間に行うことができ、予約制で行っています。
胎児ドック詳細についてはこちらをご覧ください。

・クアトロ検査 従来からある血液検査によって染色体異常の確率を求める検査です。15週以降に行うことができます。

ともに、異常が出た場合には、羊水穿刺を行うことで確定診断となります。
胎児ドックはクアトロ検査よりもタイミングが早くできること、
染色体異常だけでなく形態異常についてもわかることから、胎児ドックをおすすめしております。

妊娠検診~中期の検査

膣からみる超音波とおなかから見る超音波を使用して、赤ちゃんの成長具合などを見ていきます。手や足があるか、流産しそうではないかなどを見ていきます。18~22週に胎児中期スクリーニング検査を行います。超音波検査専門の医師がお腹からのエコーで赤ちゃんの形態異常の有無、胎児心臓スクリーニング検査を行います。
また、28週ごろに貧血検査・血糖検査・クラミジア検査を行います。クラミジアは、赤ちゃんが産道感染を起こすと肺炎や結膜炎の原因になることがあります。陽性の方は抗生剤で治療します。

妊娠検診~後期の検査

後期は膣からみる超音波とおなかから見る超音波を使用して、赤ちゃんの成長具合、逆子ではないか、羊水の量などを確認していきます。妊娠35週頃には、B群溶血性連鎖球菌検査を行います。産道の細菌検査です。陽性の方は赤ちゃんへの感染予防のために、分娩時にお母さんへ抗生剤の点滴を行います。

妊娠36週頃には3回目の貧血検査を行います。赤ちゃんが大きくなることで体には血液がたくさん必要になります。急速に血液の量が増えるため、相対的に血液が薄まることがあり、それを早期に発見し貧血を治療するため、妊娠中3回程度行います。

妊娠37週~ 胎児心拍数検査を行います。これにより、おなかのはりやあかちゃんの元気度がわかります。